2009年5月19日火曜日

映画『Children of Heaven』

『Children of Heaven』
1997年のイランの映画。
(邦題は『運動靴と赤い金魚』)
オスカーでノミネートされて世間に知られるようになったらしい。
そういえば、野球選手ダビルビッシュのお父さんはイラン出身。
3兄弟で弟達もみんな美形で、将来が非常に楽しみですね。

映画の主人公、小学生兄Ali(アリ)と妹Zahra(ザラ)。
ある日、兄が妹の靴を修理にもって行った帰りに買い物によった八百屋で、妹の靴をなくしてしまうの。両親は貧しくて、靴をなくしたなんていったら叱られるし、二人とも両親に新しい靴を買ってもらえるほどの余裕がないことも知ってるの。
「お父さんには言わないでぇー、絶対に見つけるから」と泣きながら妹に打ちあける泣き虫の兄、まったくしょうがないわね、としっかりモノの妹。
(まるで、『男はつらいよ』シリーズみたいなダメ兄貴寅次郎と妹サクラのよう)

そこで、学校に行くときは、兄の靴を兄と妹で交代で履くことにして、二人で行方不明の靴を探すことに。
(交代で靴をはいて学校にいくってのは、宗教上、男女が別々の時間帯に登校するから可能なんだよね)
ある日、妹の靴をはいてる女の子がいて、二人で女の子の家までつけていくんだけど、その女の子のお父さんが盲目なのを知り、“靴を返して”って言えないまま二人は帰ってくる。
自分達よりももっとかわいそうなんだ、と思ったのかな。
そしてそのまま、靴を交代で履きながら学校に通うけど、妹が学校が終わってから兄は登校するので、いつも授業に遅れちゃう。
すると、そういうときに限って見回りとかしてるヒマな先生がいていつも叱られるんだよね。
なんでいつも遅くなるのか、とワケも聞いてくれない。
(日本にもヒマで生活指導に熱くなっちゃう体育の先生とかいるよね?)

内緒で靴探しをしてるので家の手伝いがおろそかになっちゃって、そういうときに限って父親の機嫌が悪くて叱られたり。

映画をみてるうちに、いつの間にか子供目線になっちゃって、アリを叱る先生や父親達がものすごくイジワルな悪人に思えてきちゃうのね。
すべての不幸がこのアリに降りかかってるんじゃないかと思うくらい、ツイてないアリ。

あるとき、兄の学校で、マラソンレースが行わることになって、3位の景品が、なんと靴!
妹のためにその景品がなんとしてもほしいアリは、なんとかレースに参加。景品の靴、獲得なるか?!
映画は、街中の風景などよりリアル感を出すために、イラン・テヘランでこっそり撮影されたらしい。
古い街並は迷路のような入り組んだ路地に集合住宅みたいなのがあったり、かたや大都市では高層ビルが立ち並び、アメリカのようなフリーウェイ、その標識、ビバリーヒルズみたいな高級住宅地。
イランでも貧富の差がものすごくあるみたい。

この映画をみてうちのクローゼットにゴロゴロしている履かない靴をあげたくなりました。
(ってそういうメッセージじゃないって?!)
子供は、子供なりに思いやり、人情があってさ。
何でも一生懸命で親をよく手伝ってとってもかわいいの。

イランってさ、核兵器開発とか騒がれてるけど、北朝鮮も然り、子供が靴すら買ってもらえないってのに、各兵器どころじゃないと思うんですけど。
お金を使う優先順位が違うだろー
大人は、なったくいったい何やってるんだ!
子供の健気な姿に感動しつつ、勝手な大人にちょっと憤りも感じる、複雑な気分にさせる映画でした。






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